「バンド割れとRSI30割れが重なったら、絶好の買い場ですよね?」
- 下バンド割れとRSI30割れが重なると取引は86回→26回、最大下落率は−48.8%→−35.6%に浅くなった
- ただし保有日の99.58%は「RSI<30で買い→20日線で売り」と同じ。RSI版28回の取引のうち23回は買った日まで一致した
- 両方そろった日の5日後は平均+0.22%で、BBだけの日(+0.47%)より低かった。「2つそろう=底」ではない
2つの指標の役割分担
ボリンジャーバンド(BB)は20日線から標準偏差の2倍(2σ)離れた線です。終値が下の線(下バンド)を割ると「ふだんの値幅から外れた」ことを示します(%b)。RSIは14日間の上げ幅と下げ幅の比で「下げが続いた度合い」を測ります(#002)。BBは値の位置、RSIは下げの勢いを見るので、役割は別に見えます。
かつ RSI(14) < 30
売り:終値 > 20日線
「確認」は2つ目の指標が遅れて来ること
下げ始めはまずバンドを割り、下げが続いてRSIが30まで落ちるのは数日後です。つまりこの組み合わせは「BB割れのうち、RSIが30を割るほど深い下げだけを待つ」ルールになります。逆にRSIが30を割った日は、半分以上(53.3%)がBB割れでもありました。厳しいのはRSIの側です。
「別の計算式の指標を2つ重ねれば、独立した確認になる」とは限りません。どちらも直近の下落に反応するので、条件の片方がもう片方をほぼ含んでしまうことがあります。そのときは2つ目の指標は飾りになります。
実際の日経平均で見てみる
直近500日で下バンドを割った日は17日、RSIが30を割った日は6日で、その6日はすべてバンドの外でした。ダブル確認ルールが買ったのは2025年3月31日(終値35,617円、下バンド36,208円、RSI29.1)。4月7日には31,136円(RSI14.0)まで下げ、4月23日に20日線を上抜けて34,868円で売り、−2.30%でした。
同じ期間に%b単独は6回買っています。5回は買った日のRSIが35.5〜39.4で、ダブル確認では見送られました。2026年9月14日(63,493円)の買いは9月24日に+2.98%で終わっています。
検証:ダブル確認と部品の単独
ルール:終値が下バンド(20日・2σ)を割り、同じ日にRSI(14)が30未満なら買い、終値が20日線を超えたら売り。感度は期間を同時に×0.8(BB16・RSI11)と×1.2(BB24・RSI17)。部品は同じ条件で単独でも計算し、出口を20日線にそろえたRSI版も加えました。条件は共通の検証ルールのとおりです。
| 戦略 | 取引 | 年率 | 最大下落率 | PF | 勝率 | 保有率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 買い持ち | — | 7.3% | −61.4% | — | — | 100% |
| BB×RSI(主ルール) | 26 | 1.5% | −35.6% | 1.73 | 69% | 7% |
| %b<0→0.5 | 86 | 2.3% | −48.8% | 1.43 | 71% | 22% |
| RSI<30→20日線 | 28 | 1.5% | −35.8% | 1.69 | 68% | 8% |
| RSI 30→70(#002) | 17 | 1.7% | −61.4% | 2.04 | 82% | 48% |
| BB×RSI 感度×0.8 | 44 | 1.6% | −45.8% | 1.55 | 66% | 10% |
| BB×RSI 感度×1.2 | 19 | 2.2% | −34.3% | 2.57 | 63% | 7% |
%b単独と比べると、取引は86回から26回に減り、PFは1.43→1.73、最大下落率は−48.8%→−35.6%に改善しました。代わりに年率は2.26%→1.50%に下がります。保有率が22%から7%に減り、稼ぐ機会そのものが減ったためです。
一方、出口をそろえたRSI<30→20日線とは、取引28回・年率1.46%・PF1.69とほぼ同じ。保有日の一致率は99.58%でした。RSI版の28回のうち23回は同じ日に買い、3回は1〜3営業日遅れて買い、見送ったのは2回だけです。
検証②:重なりで分けると何が見えるか
下バンド割れとRSI<30を日ごとに4つに分け、その後のリターンを比べました(2007年4月〜、全4,760日)。
| その日の状態 | 日数 | 5日後 平均 | 5日後 上昇率 | 10日後 平均 | うち初日 10日後 |
|---|---|---|---|---|---|
| BBだけ | 182 | +0.47% | 57.7% | +0.51% | +0.52% |
| RSIだけ | 64 | +0.75% | 57.8% | +0.62% | +1.35% |
| 両方 | 73 | +0.22% | 49.3% | +0.18% | +1.11% |
| 全日 | 4,760 | +0.19% | 55.3% | +0.38% | — |
両方そろった日の5日後は+0.22%で、上昇率は49.3%と全日(55.3%)を下回りました。そろった初日(37回)に絞っても5日後は−0.09%。2つそろうのは下げの真っただ中で、すぐには戻らないことが多いのです。10日後なら初日は+1.11%に戻ります。前半(〜2016年9月)の両方の日は10日後−0.80%、後半は+1.59%と、時期による差も大きく出ました。
フィルターが外した84回
%b単独の86回の取引のうち、買った日にRSIも30未満だったのは2回だけ。残り84回は勝率71%・PF1.38・平均+0.57%で、合計すると+47.71%を稼いでいました。RSIフィルターは「だまし」より多くの利益を一緒に捨てています。
84回のうち24回は、保有中に両方がそろい、ダブル確認ルールが遅れて買いました。24回すべてで、%bより安い値で買えています。これが最大下落率を浅くした理由で、リーマン期(2008年9月〜2009年3月)は%b単独−29.87%に対し主ルール−16.84%(買い持ち−36.81%)。ただしコロナ期は−10.41%と−11.12%で差はありません。
読み解き
- ダブル確認の中身は、ほぼRSI単独。RSI<30→20日線と保有日の99.58%が一致し、28回中23回は買った日も同じ。RSIが30まで落ちる下げでは、終値はたいていバンドの外にいる。
- %bから見ると、RSIは「待つ」フィルター。86回中84回を外し、残る取引は深い下げで安く買う形になった。最大下落率は−35.6%に浅くなったが、年率は2.26%→1.50%に下がった。
- 2つそろった日は底ではない。両方の日の5日後は+0.22%で、BBだけ(+0.47%)やRSIだけ(+0.75%)より低い。確認がそろうのは、下げが加速している途中。
成績のまとめ(下バンド割れ かつ RSI<30で買い→20日線超えで売り)
取引は19年で26回にとどまった。PF1.73、最大下落率−35.6%は%b単独より良いが、年率1.5%は買い持ち7.3%に遠く、%b単独の2.3%も下回る。中身はRSI<30→20日線とほぼ同じで、BBを重ねた意味は数字に表れなかった。
自分で試す(TradingView)
//@version=6
indicator("BB×RSI ダブル確認", overlay = true)
len = input.int(20, "BB期間")
rlen = input.int(14, "RSI期間")
[mid, up, lo] = ta.bb(close, len, 2.0)
r = ta.rsi(close, rlen)
bbOnly = close < lo and r >= 30
both = close < lo and r < 30
var bool inPos = false
if both and not inPos
inPos := true
else if close > mid and inPos
inPos := false
plot(mid, "20日線", color = color.orange)
plot(lo, "下バンド", color = color.blue)
plotshape(bbOnly, "BBだけ", shape.circle, location.belowbar, color.gray)
plotshape(both, "両方", shape.triangleup, location.belowbar, color.green)
bgcolor(inPos ? color.new(color.green, 88) : na, title = "保有中")

