「包み足が出て、RSIも売られすぎなら、反転は確実ですよね?」
- 2007年4月以降の陽の包み足113回のうち、RSI<35の日に出たのは7回(6.2%)。取引は19年で6回だった
- 6回はPF4.04と好成績。ただ#033の包み足から、負け18回のうち16回と一緒に勝ち27回のうち23回も外した
- 包み足はRSI<35の下げが始まってから中央値5営業日後に出た。そこを含むRSI単独の6回の取引は合計−36.97%
2つの指標の役割分担
陽の包み足は、前日の陰線の実体を今日の陽線の実体がすっぽり包む2本の並びです(#033と同じ定義:前日が陰線、今日が陽線、今日の始値≦前日終値、今日の終値≧前日始値)。RSIは14日間の上げ幅と下げ幅の比で、下げが続いた度合いを0〜100で表します(#002)。包み足は「下げ止まりの形」、RSIは「どれだけ深く下げたか」を受け持ちます。
かつ その日のRSI(14) < 35
売り:買った日から10営業日後の終値
(保有中に再びそろえば10日に延長)
RSIは包み足の当日の値で判定する
包み足は大きな陽線なので、その日のRSIを押し上げます。今回は「その日の終値で売買する」共通ルールに合わせ、上げを含んだ当日のRSIで判定すると決めました。前日はRSI<35だったのに、包み足の上げで35以上に戻って外れたケースが2回あります。#033の「下降局面(前日終値<20日線)」の条件は外し、その役をRSIに任せました。
「サインが2つそろえば確実」ではありません。確認を足すほど条件は厳しくなり、出番が減ります。今回は113回の包み足が7回に減りました。成績を数えられるだけの回数が残るかを、先に確かめる必要があります。
実際の日経平均で見てみる
直近500日に陽の包み足は7回出ました。RSIが最も低かったのは2024年11月28日(終値38,349円)の47.5で、10日後は+3.91%。RSI<35の日は14日ありましたが、その間に包み足は出ていません。2025年4月7日(31,136円)はRSI14.0まで下げても陽の包み足にはならず、主ルールは一度も買いませんでした。
検証:組み合わせと部品の単独
ルール:陽の包み足の日に当日のRSI(14)が35未満なら終値で買い、10営業日保有。感度は整数パラメータをすべて同時に×0.8(RSI11・水準28・8日)と×1.2(RSI17・水準42・12日)。部品は同じ条件で単独でも計算し、#033は20日線も同じ倍率で変えました。条件は共通の検証ルールのとおりです。
| 戦略 | 取引 | 年率 | 最大下落率 | PF | 勝率 | 保有率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 買い持ち | — | 7.3% | −61.4% | — | — | 100% |
| 包み足×RSI<35(主ルール) | 6 | 0.8% | −15.8% | 4.04 | 67% | 1% |
| 下降局面の包み足→10日(#033) | 45 | 2.8% | −17.1% | 2.07 | 60% | 10% |
| RSI<35の日に買い→10日 | 60 | 3.3% | −46.3% | 1.71 | 72% | 20% |
| 参考:包み足すべて→10日 | 82 | 3.4% | −27.1% | 1.65 | 55% | 21% |
| 主ルール 感度×0.8 | 0 | 0.0% | — | — | — | 0% |
| 主ルール 感度×1.2 | 10 | 2.0% | −13.5% | 11.65 | 90% | 3% |
RSI単独はRSI<35の日が来るたびに保有を10日延ばすので、下げが続く間ずっと持ち、最大下落率は−46.3%。包み足を条件にすると−15.8%まで浅くなり、PFは1.71→4.04に上がりました。ただし保有率は1%、最終資産は1.16倍で、#033の1.72倍やRSI単独の1.86倍に届きません。×0.8ではRSI11が28を割った日に包み足が一度も出ず、取引は0回でした。
検証②:2つを重ねて初めて見えること
日ごとに「包み足か」「RSI<35か」で4つに分け、その後のリターンを比べました(全4,760日)。
| その日の状態 | 日数 | 5日後 平均 | 10日後 平均 | 10日後 上昇率 | 20日後 平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| 包み足 × RSI<35 | 7 | +3.33% | +2.25% | 57.1% | +2.61% |
| 包み足 × RSI≧35 | 106 | +0.46% | +0.78% | 57.5% | +0.70% |
| 包み足なし × RSI<35 | 317 | +0.40% | +0.55% | 61.5% | +1.32% |
| どちらもなし | 4,330 | +0.17% | +0.35% | 55.8% | +0.70% |
平均は重なった日が最も高い一方、10日後の上昇率は57.1%で他と変わりません。7回では1回の大勝ち(2008年10月28日の+13.89%)で平均が大きく動きます。包み足をRSIで分けても、35〜50の27回が10日後+1.93%と、35未満の+2.25%に近い値でした。
包み足は「長い売られすぎ」の途中に出る
RSI<35が続いた塊は93回あり、長さの中央値は2日です。組み合わせのシグナルは塊の初日から3〜16営業日目(中央値5)に出ていました。包み足が出るのは、すぐ戻る浅い下げではなく、長引く下げの中なのです。実際、保有中に組み合わせのシグナルを含んだRSI単独の取引6回は、勝率33%・合計−36.97%。それ以外の54回は勝率76%・合計+114.65%でした。同じ下げの中で包み足まで待った主ルールの6回は合計+15.90%です。リーマン期(2007年7月〜2009年3月)は買い持ち−55.31%、RSI単独−25.65%に対し、主ルールは+16.60%でした。
逆に#033から見ると、RSIフィルターは45回中39回を外しました。外した39回は勝率59%・合計+43.25%で、負け18回のうち16回と一緒に勝ち27回のうち23回も捨てています。7回のシグナルはすべて#033の下降局面の条件も満たしていて、RSIが新しい買い場を足したことはありません。
読み解き
- 確認を足した結果、ほとんど何も残らなかった。包み足113回のうちRSI<35は7回、取引は6回。×0.8では0回で、成績の良し悪しを語れる数ではない。
- 包み足はRSI単独の弱点を補う。RSI単独が負けた長い下げの中で、包み足は下げ止まりを待つ役になった。最大下落率は−46.3%→−15.8%。
- RSIは包み足に新しい情報をほぼ足さない。7回とも#033の下降局面の条件と重なり、外した39回は合計+43.25%の利益を持っていた。
成績のまとめ(陽の包み足 かつ RSI(14)<35で買い→10日保有)
感度×0.8では取引0回になる。PF4.04と最大下落率−15.8%は良く見えるが、19年で6回の取引にすぎない。年率0.8%は買い持ち7.3%にも、部品の#033(2.8%)やRSI単独(3.3%)にも届かなかった。
自分で試す(TradingView)
//@version=6
indicator("包み足×RSI", overlay = true)
rlen = input.int(14, "RSI期間")
level = input.int(35, "RSI水準")
hold = input.int(10, "保有日数")
r = ta.rsi(close, rlen)
engulf = close[1] < open[1] and close > open and open <= close[1] and close >= open[1]
sig = engulf and r < level
var int left = 0
if sig
left := hold
inPos = left > 0
if left > 0
left -= 1
plotshape(engulf and not sig, "包み足(見送り)", shape.circle, location.belowbar, color.gray)
plotshape(sig, "包み足×RSI", shape.triangleup, location.belowbar, color.green)
bgcolor(inPos ? color.new(color.green, 88) : na, title = "保有中")

