「ボリンジャーとケルトナー、両方抜けたら本物のブレイクですか?」
- ボリンジャー上限を超えた291日のうち83%は、ケルトナー上限も超えていた。二重ブレイクの条件で消えるサインは少ない
- ケルトナーが見送った#004の32回は1回平均0.89%。通した47回(0.77%)より悪くなかった
- 差が出たのは「どちらの帯が外側か」。ケルトナーが外側の日の買いはPF2.31、ボリンジャーが外側ならPF1.25
二重ブレイク=外側の帯を超えること
ボリンジャーバンド(#004)は20日線から終値の散らばり(σ)の2倍、ケルトナーチャネル(#030)はEMA20から1日の値幅(ATR10)の2倍の位置に上限を引きます。両方を超えるとは、その日に外側にある方の帯を超えることと同じです。一方向に上がってσが膨らむとボリンジャーが外側、静かな値動きからの上抜けではケルトナーが外側になりやすくなります。
KC上限 = EMA20 + 2 × ATR10
買い:終値 > BB上限 かつ
終値 > KC上限(同じ日)
売り:終値 < SMA20
決めておいた細部
比較はすべて「より大きい・より小さい」で、等しい日は売買しません。現金のときは買い条件だけ、保有中は売り条件だけを見ます。ボリンジャーだけ先に超えた場合は、両方を超える日まで待ちます。σは母標準偏差、ATRはワイルダー平滑で、どちらも元記事と同じ計算です。
「条件を二つ重ねれば、だましが半分になる」とは限りません。二つの帯は似た物を測っているので、ボリンジャー上限を超えた日の83%はケルトナー上限も超えていました。主ルールの保有日はすべて#004の保有日に含まれ、保有判断は96.3%の日で一致します。
実際の日経平均で見てみる
2024年12月12日は終値39,849円がBB上限39,804円を超えましたが、KC上限40,011円には届かず見送りました。#004はここで買い、−2.80%でした。
逆の例が2026年4月です。σ÷ATRは4月6日に0.66と直近500日の最低になり、帯が細く締まっていました。4月8日、終値56,308円はBB上限55,904円を超えたもののKC上限57,110円の下で見送り。#004は+7.33%を得ましたが、主ルールは4月14日(57,877円)に遅れて買い、+4.42%にとどまりました。10月1日に買い、10月2日時点で保有中です。
検証:部品単独と組み合わせを比べる
ルール:上の式のとおり。部品は元記事と同じ計算の#004(+2σ超えで買い・SMA20割れで売り)と#030(KC上限超えで買い・EMA20割れで売り)。条件は共通の検証ルールのとおりです。
| 戦略 | 年率 | 最大下落率 | 取引 | PF | 勝率 | 保有率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 買い持ち | 7.3% | −61.4% | — | — | — | 100% |
| 二重ブレイク(主) | 2.4% | −18.4% | 67 | 1.63 | 46% | 26% |
| #004 ボリンジャー順張り | 2.9% | −21.0% | 79 | 1.62 | 46% | 29% |
| #030 ケルトナー | 3.2% | −23.3% | 76 | 1.73 | 41% | 31% |
| (参考)KC上限→SMA20割れ | 2.6% | −28.3% | 79 | 1.57 | 44% | 30% |
| (参考)二重ブレイク→EMA20割れ | 2.7% | −16.3% | 64 | 1.74 | 42% | 26% |
最終資産は1.58倍で、#004の1.73倍、#030の1.84倍を下回りました。最大下落率は3本で最も浅い−18.4%ですが、2007年7月〜2009年3月は−12.56%で、#004の−5.78%より大きく減らしています。
検証②:ケルトナーは何を止めたか
#004の取引79回を、買った日にKC上限も超えていたかで分けました。超えていた47回は主ルールの取引とまったく同じです。
| #004の買い | 回数 | 勝率 | 1回平均 | PF |
|---|---|---|---|---|
| KCも超え(通す) | 47 | 47% | 0.77% | 1.58 |
| KCは超えず(見送り) | 32 | 44% | 0.89% | 1.68 |
見送った32回は、負け43回のうち18回、勝ち36回のうち14回を含みます。負けと勝ちをほぼ同じ割合で除いており、選別にはなっていません。上位10%の大勝ち8回のうち3回も見送りました。見送りのあと遅れて買った20回は平均0.90%でした。
日別の2×2で見ても同じです。BBだけ上の50日(1.1%)は10日後平均1.00%・上昇率67%、両方の上の241日は0.59%・59%でした(全日は0.38%)。
| 終値の位置 | 日数 | 10日後平均 | 10日後に上昇 | 20日後平均 |
|---|---|---|---|---|
| BB上限・KC上限の両方の上 | 241 | 0.59% | 59% | 1.03% |
| BB上限だけ上 | 50 | 1.00% | 67% | 1.14% |
| KC上限だけ上 | 544 | 0.40% | 56% | 0.86% |
| 両方の下 | 3,925 | 0.35% | 56% | 0.71% |
二つを並べて初めて見えたのは、帯の位置関係です。主ルールの買い67回を、その日に外側だった帯で分けると、ケルトナーが外側の31回は平均1.31%・PF2.31、ボリンジャーが外側の36回は平均0.38%・PF1.25でした。σ20÷ATR10の中央値は1.24で、BB上限が外側の日は71.9%あります。
読み解き
- 二重の確認は、ほぼ一重だった。BB上限超えの83%はKC上限も超えており、保有判断の一致は96.3%。取引は79回から67回に減っただけ。
- ケルトナーが止めたサインは悪くなかった。見送った32回は平均0.89%で、通した47回の0.77%を上回る。年率は2.9%から2.4%に下がった。
- 差を生んだのは「どちらが外側か」。帯が細くケルトナーが外側の日の買いはPF2.31、σが膨らんでボリンジャーが外側の日はPF1.25。確認の有無より局面の違いの方が大きかった。
成績のまとめ(BB上限かつKC上限超えで買い・SMA20割れで売り)
取引は67回。感度はBB 20・EMA 20・ATR 10・出口SMA 20を一斉に×0.8(16・16・8・16)、×1.2(24・24・12・24)にし、倍率2は固定した。年率2.4%は買い持ち7.3%にも部品にも届かず、上回ったのは最大下落率だけだった。
自分で試す(TradingView)
//@version=6
strategy("BB×ケルトナー 二重ブレイク", overlay = true)
len = input.int(20, "BB・EMAの期間")
aLen = input.int(10, "ATRの期間")
mult = input.float(2.0, "倍率")
basis = ta.sma(close, len)
bbUp = basis + mult * ta.stdev(close, len)
kcUp = ta.ema(close, len) + mult * ta.atr(aLen)
if close > bbUp and close > kcUp
strategy.entry("L", strategy.long)
if close < basis
strategy.close("L")
plot(bbUp, "BB上限", color = color.orange)
plot(kcUp, "KC上限", color = color.teal)
plot(basis, "SMA20", color = color.gray)
plotshape(close > bbUp and close <= kcUp, "見送り", shape.circle, location.belowbar, color.gray, size = size.tiny)

