「RSIの売られすぎを、出来高入りのMFIでも確かめたら安心ですか?」
- RSI単独の取引31回のうち、MFIの確認が来たのは19回。消えた12回は10勝2敗で、負けはほとんど減らなかった
- 残った19回は平均2.95%安い日に買い直す形になり、1回平均は1.69%から4.94%に上がった
- 組み合わせは年率4.7%・最大下落率−24.6%でRSI単独(3.1%・−32.4%)を上回った。ただし取引は19回
役割分担:RSIは「値幅」、MFIは「出来高つきの売り」
RSIは終値の上げ幅と下げ幅だけで作るオシレーターです(#002)。MFIは典型価格(高値・安値・終値の平均)に出来高を掛け、上げの日と下げの日に分けて比べます(#038)。大商いの下げが続くとMFIはRSIより低くなります。今回はRSIの買いの入口にだけMFIを重ねました。
MFI(14) = 100 × 流入 ÷(流入+流出)、マネーフロー=典型価格×出来高
買い:RSI(14) < 30 かつ MFI(14) < 20(現金のときだけ判定)
売り:RSI(14) > 50(保有中だけ判定)
典型価格が前日と同じ日は流入にも流出にも入れません。指標が計算できない期間は条件不成立とし、状態は2006年4月から計算、成績は2007年4月13日からです。
確認型の組み合わせの見方
確認役は新しいサインを作らず、サインを減らすか遅らせるだけです。だから物差しは二つ。消したサインが残したサインより悪かったか。残したサインの買値が変わったか。
「確認を足せば負けが消える」とは限りません。RSI単独の負け7回のうち、MFIが消したのは2回だけ。むしろ勝ち10回を消しました。成績が良くなった理由は別のところにあります。
実際のETF1321で見てみる
2025年4月3日、RSIは25.9まで下がりRSI単独は36,430円で買いました。このときMFIは29.4で、確認はまだです。急落の4月7日(32,650円)にRSI14.1・MFI17.0となり、主ルールが買いました。売りはどちらも4月25日の37,400円。損益はRSI単独+2.5%、主ルール+14.3%です。
2024年8月も同じ形でした。RSI単独は7月26日に買い、主ルールは8月5日(32,830円、RSI18.2・MFI17.4)に買って、8月16日の売りで+0.9%対+19.3%。10月2日時点はRSI63.3・MFI62.2で、両方とも現金です。
検証:部品単独と組み合わせを比べる
ルール:上の式のとおり。価格・出来高ともETF1321で、買い持ちもETFです。部品は、同じ出口のRSI(14) 30未満→50超と、#038の元ルール(MFI 20以下→80以上)。日経平均の#002(30→70)は年率1.7%・17回でした。条件は共通の検証ルールのとおりです。
| 戦略(ETF1321) | 年率 | 最大下落率 | 取引 | PF | 勝率 | 保有率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 買い持ち | 7.4% | −61.0% | — | — | — | 100% |
| RSI×MFI(主) | 4.7% | −24.6% | 19 | 10.99 | 84% | 6% |
| RSI 30→50のみ | 3.1% | −32.4% | 31 | 2.59 | 77% | 10% |
| #038 MFI 20→80のみ | 3.4% | −58.9% | 21 | 2.56 | 76% | 27% |
| (参考)MFI<20→RSI>50 | 5.5% | −24.6% | 33 | 8.24 | 82% | 9% |
| (参考)RSI<30かつMFI≥20 | 2.2% | −31.5% | 26 | 2.19 | 77% | 9% |
3本とも取引は19〜31回と少なめです。#038はMFI80まで持つため保有率27%と長く、2008年に−58.9%を負いました。出口をRSI50に揃えた参考行を見ると、入口はRSIよりMFIのほうが良い結果でした。
検証②:MFIは何を消して、何を変えたか
まず日ごとの状態です。2007年4月以降の各営業日を、RSIが30未満か、MFIが20未満かで4つに分けました。
| その日の状態 | 日数 | 10日後平均 | 20日後平均 | 20日後に上昇 |
|---|---|---|---|---|
| RSI<30 かつ MFI<20 | 45 | 2.74% | 3.27% | 62% |
| RSI<30 だけ | 88 | 0.17% | 1.89% | 60% |
| MFI<20 だけ | 66 | 1.18% | 1.93% | 68% |
| どちらでもない | 4562 | 0.35% | 0.69% | 58% |
RSI<30の日のうち、MFIも20未満だったのは34%。両方そろった日は10日後の平均が2.74%で、RSIだけの日(0.17%)と大きく違います。差は前半(20日後1.74%対1.08%)にも後半(6.34%対3.44%)にもありました。
次に取引です。RSI単独の31回を、保有中にMFIの確認が来たかで分けました。
| RSI単独の取引 | 回数 | 1回平均 | 勝率 | 負け |
|---|---|---|---|---|
| 確認なし(主ルールは見送り) | 12 | 2.71% | 83% | 2 |
| 確認あり・RSI単独の買値で | 19 | 1.69% | 74% | 5 |
| 確認あり・主ルールの買値で | 19 | 4.94% | 84% | 3 |
見送った12回はむしろ成績が良い取引でした。違いを生んだのは買う日です。確認が来た19回のうち12回は確認が遅れて来て、その12回すべてで主ルールの損益がRSI単独を上回りました(同じ日の7回は同じ損益)。2008年10月はRSI単独−8.6%に対し、主ルールは10月8日まで待って+4.7%でした。
読み解き
- MFIは「だまし」を消すフィルターではなかった。消した12回は10勝2敗。負け7回のうち5回は残った。
- 効果は「投げ売りまで待つ」タイミングにあった。確認日の価格はRSI単独の買い日より平均−2.95%。同じ取引の1回平均が1.69%から4.94%に上がった。
- 2指標がそろった日は反発が強い。10日後平均はRSIだけの日0.17%、MFIだけの日1.18%、両方の日2.74%。出来高を伴う売りの後が狙い目という形が、前半・後半の両方に出た。
成績のまとめ(RSI(14)<30かつMFI(14)<20→RSI>50)
取引は19回と少ない。感度は期間14・14と水準30・20・50を一斉に×0.8(11・11・24・16・40)、×1.2(17・17・36・24・60)にした。×0.8は年率0.3%まで落ちる。PF10.99は負け3回の少なさによるもので、19回では偶然の幅が大きい。年率4.7%は買い持ち7.4%に届かない。
自分で試す(TradingView)
//@version=6
strategy("RSI×MFI(確認型)", overlay = false)
rsiLen = input.int(14, "RSI期間")
mfiLen = input.int(14, "MFI期間")
rsiBuy = input.int(30, "RSI 買い水準")
mfiBuy = input.int(20, "MFI 確認水準")
rsiExit = input.int(50, "RSI 売り水準")
r = ta.rsi(close, rsiLen)
m = ta.mfi(hlc3, mfiLen)
if r < rsiBuy and m < mfiBuy
strategy.entry("L", strategy.long)
if r > rsiExit
strategy.close("L")
plot(r, "RSI", color = color.blue)
plot(m, "MFI", color = color.orange)
hline(rsiBuy, "RSI 30")
hline(mfiBuy, "MFI 20")
hline(rsiExit, "RSI 50")
plotshape(r < rsiBuy and m >= mfiBuy, "確認待ち", shape.circle, location.bottom, color.gray, size = size.tiny)

