「週足が上向きの時だけ日足で買えば、勝率は上がりますよね?」
- 日足MACDのゴールデンクロス188回のうち、週足が上向きだったのは89回(47%)。単独で売買すると勝率26%・平均−0.09%で、下向きの99回(勝率44%・平均+0.81%)より悪かった
- 週足が外したのは負けの45%に対し、勝ちの65%。組み合わせは年率−0.6%・PF0.93で、MACD単独(3.0%)にも週足単独(3.6%)にも届かなかった
- 20日後の平均リターンが最も高かったのは「週足も日足も下向き」の日(+1.43%)だった
週足が「門番」、日足MACDが「きっかけ」
週足は金曜区切りで作り、その週の最終営業日の終値で確定させます。週足フィルターは「確定した週の終値が、週足終値の13週単純移動平均(SMA)より上」。月〜木曜は直前に確定した週の判定を使い、週の最終日の終値で更新します。きっかけは#003と同じMACD(12,26,9)で、MACDがシグナルを上抜ける日をゴールデンクロス(GC)、下抜ける日をデッドクロス(DC)と呼びます。
確定した週の終値 > 13週SMA
買い:週足フィルターが真
かつ 日足MACD(12,26,9)がGC
売り:日足MACDがDC
または 週足フィルターが偽に
(週末に判定)
「週足が上向きなら、日足の押し目買いは追い風に乗れる」とは限りません。週足が13週線の上にいる時点で、上昇はかなり進んでいます。そこで出るGCは小さな押し目の終わりで、残りの上げ幅が小さいことが多いのです。
実際の日経平均で見てみる
直近500営業日のGCは23回、うち週足が上向きだったのは14回です。2025年4月16日のGC(33,920円)は週足が下向きで見送りましたが、MACD単独なら+9.35%の取引でした。週足が上向きに戻ったのは5月2日(週終値36,830円、13週SMA36,711円)。2026年9月24日のGCも週足が下向きで見送り、翌25日に上向きへ。10月2日は終値68,309円で13週SMA65,934円を上回っていますが、新しいGCがないので現金のままです。
検証:組み合わせと単独の比較
ルール:上の式のとおり。感度は13週とMACD(12・26・9)の整数パラメータをすべて同時に×0.8(10週・10,21,7)・×1.2(16週・14,31,11)にした2通り。条件は共通の検証ルールのとおりです。
| 戦略 | 年率 | 最大下落率 | 取引 | PF | 勝率 | 保有率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 買い持ち | 7.3% | −61.4% | — | — | — | 100% |
| 週足×MACD(主ルール) | −0.6% | −35.8% | 89 | 0.93 | 26% | 16% |
| MACD単独(#003) | 3.0% | −35.4% | 188 | 1.26 | 36% | 51% |
| 週足フィルター単独(真の間保有) | 3.6% | −34.1% | 72 | 1.62 | 35% | 59% |
| 週足平均足 陽線の間保有(#011) | 4.3% | −35.5% | 129 | 1.49 | 39% | 59% |
| (参考)週足が下向きのGCで買い→DCで売り | 3.7% | −30.6% | 99 | 1.48 | 44% | 35% |
保有率16%まで絞ったので、2007年7月〜2009年3月の損失は−5.91%(買い持ち−55.31%、MACD単独−21.24%、週足単独−22.39%)で済みました。それでも最大下落率は−35.8%で、単独の2本より浅くなっていません。平均保有8.8日、コストをゼロにしても年率0.27%です。売り89回のうち86回はDCだけで決まり、週足割れが先に来たのは1回。売り側の週足条件は、ほとんど出番がありません。
検証②:GCを週足の向きで分ける
2つの時間軸がそろって初めてできる分析です。MACD単独ルールの各取引を、GCの日の週足フィルターで分けました。
| GCの日の週足 | 回数 | 勝率 | 1回平均 | 10日後 | 20日後 |
|---|---|---|---|---|---|
| 上向き(主ルールが買う) | 89 | 26% | −0.09% | −0.15% | +0.43% |
| 下向き(見送り) | 99 | 44% | +0.81% | +0.86% | +1.17% |
| すべての日 | — | — | — | +0.38% | +0.75% |
下向きの99回のうち1回(2026年9月24日)は未決済で、勝率は98回で計算しています。MACD単独の負け121回のうち週足が外したのは55回(45%)、勝ち66回のうち外したのは43回(65%)。外した側の合計は+79.22%、残した89回の合計は−7.81%でした。
日単位の2×2でも同じ向きです。20日後の平均リターンは、週足上向きでMACDがシグナルより上の日+0.67%・下の日+0.40%、週足下向きで上の日+0.53%・下の日+1.43%。19年の日経平均では、週足が13週線を割った後のほうが戻りが大きく、#A02 雲×MACDで雲の上のGCが勝率27%だったのと同じ構図でした。
読み解き
- 週足の上向きは「遅れた確認」だった。上向きの週に出たGCは10日後の平均が−0.15%で、全日平均+0.38%を下回った。
- 門番はダマシより当たりを多く外した。負けの45%を除くかわりに勝ちの65%と、+5%以上の大勝ち25回のうち19回を除いた。PFは1.26から0.93へ下がった。
- 2本を足すと、それぞれの長所が消えた。週足単独は保有率59%で年率3.6%、MACD単独は3.0%。重ねると保有率16%で、どちらの稼ぎ方も残らなかった。
成績のまとめ(週足上向きでGC買い・DCか週足割れで売り)
取引89回、PF0.93で、感度の2通りとも年率マイナスだった。期間別では前半がマイナス、後半がプラス。結果を見た後で向きを逆にした「週足が下向きのGC」は年率3.7%・PF1.48(取引99回)だが、参考扱いとする。
自分で試す(TradingView)
//@version=6
indicator("週足×日足MACD(応用編A20)", overlay = true)
// 確定した前週までの週足を使う(先読みなし)。本文は週の最終日の終値で更新するので、週末の1日だけ本文より遅れる
wc = request.security(syminfo.tickerid, "W", close[1], lookahead = barmerge.lookahead_on)
wma = request.security(syminfo.tickerid, "W", ta.sma(close, 13)[1], lookahead = barmerge.lookahead_on)
up = wc > wma
[m, s, _] = ta.macd(close, 12, 26, 9)
gc = ta.crossover(m, s)
dc = ta.crossunder(m, s)
var bool inPos = false
if not inPos and up and gc
inPos := true
else if inPos and (dc or not up)
inPos := false
plot(wma, "13週SMA(確定週)", color = color.teal, linewidth = 2)
plotshape(gc and up, "週足上向きのGC", shape.triangleup, location.belowbar, color.blue, size = size.tiny)
plotshape(gc and not up, "週足下向きのGC", shape.circle, location.belowbar, color.gray, size = size.tiny)
bgcolor(inPos ? color.new(color.blue, 90) : na, title = "保有中")

