「MACDが上向きの時のRSIの押し目って、最高の買い場ですよね?」
- RSI(14)が40未満の日の96%はMACDラインも0未満。2つの条件は同時にそろいにくく、主ルールの売買は19年半で11回・保有率3%だった
- 主ルールは年率0.1%・PF1.15。部品の「MACD>0の間保有」(年率4.1%・PF1.65)を大きく下回った
- RSIの40上抜け176回のうち、MACD>0で起きたのは11回(6%)。MACD<0の165回も20日後は平均+1.25%と、全日平均+0.75%を上回っていた
MACDが「地合い」、RSIが「押し目の終わり」
MACDライン(#003)は12日EMAから26日EMAを引いた値です。0より上なら短期の平均が長期の平均を上回り、上向きの地合いとみなせます。RSI(#002)は14日間の上昇幅と下落幅の比率で、40を下から上抜けた日を「押し目が終わって勢いが戻り始めた日」と考えます。
かつ RSI(14)が40を
下から上抜け
売り:MACDライン < 0
または RSI(14) > 70
「上昇相場ならRSIは30〜40まで押してから反発する」とは限りません。MACDが0より上だった80の期間のうち60回(75%)は、RSIが一度も40を割らないまま終わりました。期間中のRSIの最安値は中央値で42.2です。
実際の日経平均で見てみる
直近500営業日でRSIの40上抜けは11回。MACDが0より上だったのは2026年3月10日(54,248円、MACD 70)の1回だけで、主ルールはここで買い、2日後の3月12日にMACDが−69になって売りました。残る10回はMACDが0未満で見送りです。たとえば2025年4月10日(34,609円)の上抜けはMACDが−1,297で見送りましたが、20日後の日経平均は+10.33%でした。10月2日は終値68,309円、MACD 447・RSI 62.0で、主ルールは現金です。
検証:組み合わせと単独の比較
ルール:上の式のとおり。感度はMACD(12・26)、RSIの期間14、水準40・70をすべて同時に×0.8(10・21・11・32・56)と×1.2(14・31・17・48・84)にした2通り。部品も同じ方法で感度を取りました。条件は共通の検証ルールのとおりです。
| 戦略 | 年率 | 最大下落率 | 取引 | PF | 勝率 | 保有率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 買い持ち | 7.3% | −61.4% | — | — | — | 100% |
| MACD×RSI(主ルール) | 0.1% | −8.4% | 11 | 1.15 | 45% | 3% |
| MACD>0の間保有 | 4.1% | −34.8% | 79 | 1.65 | 30% | 60% |
| MACD>シグナル(#003) | 3.0% | −35.4% | 188 | 1.26 | 36% | 51% |
| RSI 30で買い→70で売り(#002) | 1.7% | −61.4% | 17 | 2.04 | 82% | 48% |
| (参考)RSI40上抜け→70で売り(MACD条件なし) | 2.2% | −61.4% | 27 | 1.82 | 74% | 67% |
| (参考・結果を見た後)MACD>0でRSI50上抜け | −0.4% | −37.7% | 67 | 1.00 | 31% | 23% |
最大下落率−8.4%は表の中で一番浅いものの、保有率3%で相場にほとんど参加していない結果です。最初の買いは2013年10月8日で、それまでの約6年半は一度も買っていません。リーマン・ショックを含む2007年7月〜2009年3月の損益は0.00%(買い持ち−55.31%、MACD>0保有−9.39%)。売り11回のうち10回はMACDが0を割って決まり、その10回は平均−0.51%(うち3回は翌日に売り)。RSIが70を超えて売れたのは1回(+6.54%)だけでした。
検証②:RSIの40上抜けをMACDの符号で分ける
2つの指標がそろって初めてできる分析です。2007年4月以降のRSIの40上抜け176回を、その日のMACDラインの符号で分けました。
| 40上抜けの日 | 回数 | 10日後 | 上昇率 | 20日後 | 上昇率 |
|---|---|---|---|---|---|
| MACD>0(主ルールが買う) | 11 | +1.36% | 55% | +1.05% | 64% |
| MACD<0(見送り) | 165 | +0.64% | 56% | +1.25% | 61% |
| すべての日 | — | +0.38% | 56% | +0.75% | 58% |
MACD>0の上抜けは20日後に−5%以下となった割合が9%(MACD<0では17%)と、値動きは穏やかでした。ただし11回と少なく、20日後の平均はむしろMACD<0のほうが高い結果です。
売買ルールで見ても同じです。RSIの40上抜けで買って70超で売る単独ルールの取引26回(開始日に保有中だった1回を除く)のうち、MACD条件が外したのは20回。負け6回のうち5回を外した一方、勝ち20回のうち15回も外し、外した取引の合計は+78.72%でした。門番は負けを減らしましたが、それ以上に勝ちを減らしています。
読み解き
- 2つの条件は同時にそろいにくい。RSI40未満の日の96%はMACDも0未満。RSIが大きく下げる局面では、MACDも0を割ってしまう。
- 出番が少ないので、地合いの良さを取りこぼした。門番役のMACD>0だけなら年率4.1%。きっかけを待つ間に上昇の大半が過ぎ、保有率は60%から3%に落ちた。
- 押し目の物差しを地合いに合わせても改善しなかった。結果を見た後で水準を50に上げると取引67回に増えるが、年率−0.4%・PF1.00。押し目買いのタイミングが、地合いに持ち続けるより良い結果にはならなかった。
成績のまとめ(MACD>0でRSI40上抜け買い・MACD<0かRSI70超で売り)
取引11回、PF1.15、後半の年率0.03%は前半0.09%の半分に届かなかった。感度を×0.8にすると水準が32・56に下がって取引は1回だけ。最大下落率の浅さは保有率3%の結果で、年率は部品のMACD>0保有(4.1%)、#003(3.0%)、#002(1.7%)のすべてを下回った。
自分で試す(TradingView)
//@version=6
indicator("MACD×RSI(応用編A11)", overlay = true)
m = ta.ema(close, 12) - ta.ema(close, 26)
r = ta.rsi(close, 14)
buy = m > 0 and ta.crossover(r, 40)
var bool inPos = false
if not inPos and buy
inPos := true
else if inPos and (m < 0 or r > 70)
inPos := false
plotshape(buy, "MACD>0でRSI40上抜け", shape.triangleup, location.belowbar, color.blue, size = size.tiny)
plotshape(ta.crossover(r, 40) and m <= 0, "MACD≦0の40上抜け(見送り)", shape.circle, location.belowbar, color.gray, size = size.tiny)
bgcolor(inPos ? color.new(color.blue, 90) : na, title = "保有中")

